全要研定期総会@ウィル愛知 ~春季集会~
2018年6月。
特定非営利活動法人 全国要約筆記問題研究会(以下、全要研)の定期総会の春季集会@ウィル愛知に参加しました。
毎年年1回開催しており、会員に対して活動の報告や予算及び決算の承認を通じて各地の活動や全要研による事業活動の理解に繋げてもらうため、全国各地から会員が集まっています。
出席した会員は聴覚障害者や私のような要約筆記者など様々な立場の人でした。
定期総会
理事長による挨拶から議長の選任に始まり、議事進行が行われました。
正会員が議事の議決権を持っていますが、私は入会したばかりだったので傍聴という形で参加しました。
①2017年度事業報告と活動決算
②2018年度、2019年度の監事選出
③2018年度事業計画と活動予算
以上の議事に対する承認が行われました。
私が気になったのは会員数微減による会費収入減でした。
決算報告時に2016年度の1245名から1216名(正会員・賛助会員)へ減少し、2018年度は1160名を見込んだ予算でした。
会員数の減少傾向が続いているそうで純減数だけの報告がありましたが、現在の正会員と賛助会員の地域別の年齢構成など、会員の内訳を補足資料として開示したらいいのになと思いました。
同時に私のような新規正会員の動向の分析も必要だなと感じました。
入会して翌年や翌々年に更新しなかった場合、新しく入会した者にとって意義のある組織ではないという判断材料の一つの目安になるため、将来的な会員数増が見込めないということを予想できます。
今回の定期総会に30代前半までの若い参加者が見当たらなかったので、このままいけば私も会員数増には貢献できないかなと感じました。
私は質問できる立場になかったので、この件は身近な問題であると感じ、散会後のアンケートに記載しました。
早稲田大学 佐久間まゆみ教授
昨年度末で早稲田大学教授を退任された佐久間まゆみさんによる「文章・談話の要約力 ~情報伝達のしくみ~」と題した講演会が行われました。
当講演では「要約」とは、理解した元の文章を短文で分かりやすく表現すると定義しました。
一方で我々要約筆記者が要約筆記を行う上で聴いているのは「話し言葉」=「談話」です。
ノートテイクのように話の内容を予想・理解しながら追いかけていくことになるので、そもそも論として日本語の文章構造を理解する必要があるというお話でした。
話し手の言いたいこと・まとめ・ポイントとなる内容は、文章構造としては文章の最初の段落・最後の段落に分かれているなど、話の内容によって異なること。
それを分かった上で追いかけながら内容を理解し、ポイントがどこに隠れているのかを見つける、要約筆記活動にはそれが必要だということでした。
配布資料の中に「要約規則」があったので、参考までに載せます。
[要約規則]⇒「大意」の要約文の書き方
1.原文の主な内容と文章構造を要約文に正確に反映させる。
2.原文の開始部(「はじめ」)・展開部(「なか」)・終了部(「おわり」)の大文段におけるそれぞれ重要な内容をまとめた表現を要約文に残す。
3.原文の結論や主題を示す重要な表現は、原文と同じ表現で要約文に残す。
4.原文の主な話題を示す表現は、結論・主題を示す表現と対応させて、原文の表現に近い形で要約文に残す。
5.原文の話題や結論を根拠付ける具体的な表現は、重要さの程度に応じて取捨選択したより重要な事柄を、できるだけ簡潔にまとめて要約文に残す。
6.原文の結論や話題と直接関係のない事柄や要約者の意見は、要約文に含めない。
7.要約文の文章構造を支える原文の接続表現・指示表現は、わかりやすい適当な形で要約文に表す。
8.原文の言い換え表現は、抽象化・結合化・明確化して、簡潔にまとめた形で要約文に表す。
9・原文の文章構造の骨格を順序を変えずに要約文の文章構造として表す。
10.要約文は、文法・語句・表記・句読点等の誤りがないように表す。
11.要約文は、制限文字数の範囲内で表す。
12.要約文は、原文の「提題表現」と「叙述表現」からなるより大きな話題をまとめる文を残す。原文の一般的・抽象的・全体的・包括的・伝達的な表現の文は、話題をまとめる力が大きい傾向がある。
(出典:講演資料より)
1年間の授業で扱う題材を2時間に圧縮したそうで、講演を聴いている我々にとっては内容が非常に濃く、充実していました。
会場にいた多くの方々を見たところ、手練れの手書き要約筆記者さんでした。
皆さんメモのスピードがめちゃめちゃ速かったです。
字を書くスピードが遅い私も配布資料やノートに頑張ってメモしましたが、この日私はSurfacePro3を持ち歩いていました。
何故パソコンノートテイクのようにメモを取らなかったのか、今でも後悔しています(笑)
同じテーブルに大阪の手書き要約筆記者さんがいたので話しかけてみました。
関西圏の方々の何名かと一緒に参加していたようで、名古屋開催だと乗り換えなしの新幹線で行ける上に東京よりも土地勘があり出席しやすいと喜んでいました。
まあ私は逆に名古屋にはあまり行かないので、名古屋駅からウィル愛知までの路線バスを間違えそうになりましたが(笑)
鳥取県での活動紹介
鳥取支部では「気軽に筆談セミナー」というイベントを開催し、要約筆記を知らない一般の方々に実際に要約筆記を体験してもらい、その後に実施したアンケート結果を紹介していました。
アンケートには職場での開催希望や健聴者への要約筆記事業の認知度向上など、多数の意見が集まったそうです。
個人的には要約筆記事業の認知度向上のために各都道府県が何を実施し、全要研集会で各都道府県へどのように情報を共有しているのか興味がありました。
今回は実際の事例を知ることができ、非常に良い機会になりました。
今年の集会から年2回開催になったそうです。
秋季集会は2018年10月20日(土)に東京都港区の東京工業大学キャンパス・イノベーションセンターで開催されます。
プチ観光
今回の集会参加は要約筆記事業に関わる出張のようなイベントなので、せっかく名古屋まで来たんだし・・・ということでフォトジェニックな観光スポットオアシス21を見て、矢場とん本店で味噌カツを食べてきましたヽ(^o^)丿
以前、大学時代に大阪から青春18きっぷで名古屋まで来たことがあります。
当時は約7時間の滞在で、①味噌カツ(矢場とんではない)、②きしめん、③味噌煮込みうどん、④天むす、⑤ひつまぶし、⑥手羽先、⑦エビフライ?(だった気がする・・・)を食べました。
名古屋はご飯が美味しいので、また何かの機会に来たいと思います!