日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2018 - Part③ -
2018年9月。
「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2018@青山学院大学」に参加しました。
このフォーラムは、日本社会が抱える課題に対して解決に向けて働きかけている国、企業、NPOなどの団体や研究機関が集い、議論し、皆で共有して実践につなげる場として開催されています。
今年で3回目で、9月8日(土)~9月9日(日)の2日間開催されました。
昨年も参加したイベントです。
今回は大学の卒論みたいな長文の記事になってしまいました(´・ω・`)
内容を分割した、第3部を送りします。
ソーシャルイノベータープレゼンテーション
社会課題に取り組む10組の団体がソーシャルイノベーターとして6分間のプレゼンテーションを行い、事業の内容を審査委員にアピールしました。
事業が具体的で且つ実現性があり、何かの後押しで社会に影響が与えられる活動がソーシャルイノベーターとして選ばれ、その中でも最優秀賞と優秀賞2組の計3組が表彰されました。
視覚障害者の読む能力を拡張する眼鏡
株式会社オトングラス代表取締役 島影圭佑さん
優秀賞に選ばれたイノベーターです。
視覚情報を音声で読み上げるメガネを開発しました。
父親が脳梗塞の後遺症で失読症を発症したことがきっかけで開発されました。
「OTON GLASS」で撮影された文字情報がクラウド上で画像検索され、音声へと変換されます。
愛知県豊岡市へ3万台納入し、TBSからも取材を受けたそうです。
疾患発症抑制を目的とした健康無関心層に対するナッジ提供事業
田辺三菱製薬株式会社 チームクスリナクス 小山智也さん
不健康にならない社会、薬に頼らなくても良い社会を目指すため事業を行っています。
参加型のサービスでは個別の健康習慣を提案し、その中でも重要な行動については無意識で持続可能な習慣となる方法を提案することで普通に過ごすだけで健康に生活していける社会の実現を目指しています。
LIFE STOCK
株式会社ワンテーブル代表取締役社長 島田昌幸さん
水なしで食べることができるパウチ型のゼリーを開発しました。
被災地や官公庁にヒアリングした結果を元に開発し、JAXAともパートナーシップを結んでいます。
1日分の食物繊維が含まれており、災害時に発生する断水による水不足であっても摂取できるため、乾パンに代わる非常食として紹介されました。
保存期間は5年間で、期限が残り1年を切ると貧困国へ支援物資として供給したり、教育機関などの職員に配布し、認知度の向上に努めています。
またローリングストック(=日常の食品を多めに購入し、切らさずに買い足すという行為を繰り返し、常に家庭に新しい食品が備蓄される方法)としてもオススメです。
将来価値で返済額が減る学生ローン開発と大衆化
りそなグループ 中嶋直人さん
大学生向けの学生ローンで、就職活動のときにその学生を提携企業に紹介する人材紹介サービスです。
企業は通常リクルートなどに広告料や採用時の成功報酬のような採用費がコストになるところを、りそな銀行による紹介でコストを抑えることができます。
学生側にとっては卒業時の学生ローンを採用企業に支払ってもらうことになるので破産リスクを軽減し、勤務しながら会社に返還します。
仕組みとしては成績などにより借りた額より減額されることがあるそうですが、在学中の成績をどのように評価し、貸倒リスクをどのように算出するかが今後の課題だそうです。
保育士の心理的負担の軽減と保育士不足による待機児童問題の解決
株式会社村田製作所 ソリューションビジネス推進部 笹野晋平さん
赤ちゃんの感情を見える化するシステムを開発し、保育士の負担軽減に取り組んでいます。
保育士不足により一人でケアする園児数が多いため、常に気を張り、感情の変化を捉え、保護者への対応に対して心理的負担が大きくなっているそうです。
その一助となるための取り組みを行っています。
巨大地震に備え、若手起業家の創出で日本経済の競争力を取り戻す
優勝賞に選ばれたイノベーターです。
外壁塗装で耐震補強できる塗料を開発しました。
東京大学とインド工科大学との共同研究で実現し、首都直下地震や南海トラフ地震に備える取り組みです。
患者家族発 難病創薬プロジェクト「7 SEAS PROJECT」
一般社団法人こいのぼり 理事 篠原智昭さん
希少・難治性疾患であるミトコンドリア病のMELASに発症したことがきっかけで医師・大学研究者・患者家族などとの関係者で設立され、治療法の確立を目指しています。
つながりを育むまち -「レシピ」による空き家・空室の再生事業
地震の多い日本では30年周期で建物がスクラップアンドビルドされています。
一方で空き家は全国で13%、8戸に1戸が空き家です。
新しい都市デザインと生活環境の実現のため、空き家の改修レシピ(設計図)をウェブ上に公開し、家主・住む人・工務店・行政などと共同してアイデアを広めています。
日本の子どもに話す力を。
一般社団法人アルバ・エデュ 代表理事 竹内明日香
子どもの「話す力」を高めるため、学校向けの出前授業や教員研修、ワークショップを実施しています。
主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)を導入しています。
アメリカミズアブを活用、フードロス0を実現する
Grubin 代表 川本亮
最優秀賞に選ばれたイノベーターです。
年間の食料支援は世界で約400万tに対し、日本の食糧廃棄量は年間約640万tと言われています。
食糧自給率が40%を切る中で異常な廃棄量です。
この状況を何かに有効活用するために注目されたのがアメリカミズアブ。
分解能力が高いアメリカミズアブを使うことで高タンパクな幼虫となり、優良な飼料として販売しています。
このフォーラムに2年続けて参加して思うことは、自分が知らないことが多すぎることと勉強が不足しているということ。
自分が知らないことに対して、皆どうやって情報を入手しているのか。
おじさんになりつつあるのに、未だに分かりません(笑)
アンテナを張り続け、疑問を持ち続けることが今の段階ではベストなのかなと思います。
大学の卒論みたいな長文の記事になりました。
最後まで読んでいただきありがとうございます<m(__)m>
<第1部:基調講演と分科会>
<第2部:ソーシャルイノベーションハイスクール>