受けた恩は石に刻み、与えた情けは水に流せ。
2018年8月
『第8回きずな出版主催 定期講演会』に参加しました。
今回も岡崎かつひろさんがメインパーソナリティーを務め、小林一光さんをゲストに迎えました。
小林一光さん
小林一光さんは静岡県出身で、現在は株式会社アイ・タッグ代表取締役、株式会社町田ゼルビアの取締役でもあります。
新卒で入社したJTBで営業を経験し、その後転職したプルデンシャル生命でトップ営業セールスを記録し、トップマネジャーも経験されました。
著書に『最高のマネジャー』があります。
この記事のタイトルにある”受けた恩は石に刻み、与えた情は水に流せ”は小林一光さんの座右の銘で、仏教の教えにある言葉です。
他者にかけた情け(与えた恩)は水に流して忘れ、他者から受けた恩は心の石に刻みこんで忘れないという意味で、自分が受けた恩恵は与えてくれた人だけではなく、多くの人にも何かの形で返す。
長野県上田市の古刹前山寺の参道脇にある石柱に『懸情流水 受恩刻石』と刻まれているそうです。
日本一になる
小林さんが所属していた早稲田大ラグビー部は当時、社会人チームを破り日本一になりました。
社会人になったら何かで日本一になるということを目標に掲げ、好きなことだけど得意ではないこと(=営業)に全力で努力して日本一になってきたそうです。
但しその考え方の中には、自分自身でコントロールできないことを考えることは時間の無駄となるので、目の前のことをやり切ることを心掛けていたそうです。
目標は達成するもの
自分が達成できる目標がライバルで、目標は立てるものではない。
その目標を達成すると次のステージが見え、考え方が変わるもの。
小林さんは会社の中でトップセールスを達成できたおかげで経済誌で紹介されることがあり、良い思いをさせてもらったと当時在籍していた会社に恩を感じていたそうです。
自分と同じような経験を下の世代にも経験してほしいと考えるようになり、マネジャー職へ転身して人を育てる側へ回りました。
転身前、営業職にあるようなインセンティブが報酬に上乗せされていたので年収が1,000万円を超えていました。
マネジャー職へ転身したことで報酬が下がりましたが、ポジションは上がったそうです。
一即一切(One for all, all for one)
自分中心になることなく、相手の立場に立つことでしか物事を前に進める方法がない。
また人生に正解がないので、何事も行動に移すことで失敗して見つめ直し、改善・行動して成功に繋げるを繰り返す。
やってダメなら次にまたやればいいということも仰っていました。
『言いなりの人生は”いますぐ”やめなさい。』
岡崎さんが2冊目を出版されました。
前作『自分を安売りするのは"いますぐ"やめなさい。』と同様、自分が自分らしく、100%満足のいく人生を生きていけるように考え方を変えるための本です。
過去の講演中に何度も扱われた題材やネタを盛り込み、改めて講演会に参加したような気分になります。
私が印象に残ったのはこの3つ。
師匠を見付けること
あなたの目標に対して、あなたよりちょっとでもいい結果をつくっていたら、まずその人を師匠に決めてください。
出典:第5章(P164)
これは私も経験があります。
自分のステージや環境が変わればそれに合った人と出会い、その人が新たな師匠になることもありました。
各分野やその時々によって師匠と勝手に呼んでいる人や目標としている人は違いますが、学べる人がいるのといないのとでは自分の行動に影響が出ます。
解釈をプラスに変える
「カラーバス効果」と呼ばれるものがあります。これは「自分が意識していることに関係する情報が、自分のところに舞い込んでくる」という心理学です。
出典:第5章(P170)
ポジティブに物事を考えていれば、プラスの感想となるものしか自分には舞い込んでこない。
誰かが決めたルールを疑う
会社の看板を外して、外に飛び出しても通用する自分であろうとするなら、言われたことができるくらいでは力不足になってしまいます。
出典:第1章(P41)
転職を経験したことで感じることがありました。
また、こうも書かれています。
そして年月が経ち、鎖を引きちぎらないのが当たり前で過ごし続けると、そのうちに思い込みの形が変わって、「鎖は引きちぎれないものだ」という、決めつけを持ってしまうのです。これを、心理学では「エレファント・シンドローム」と呼びます。
出典:第3章(P87)
子どもの頃に親に言われ続け、自分には向いていないんだろうなーと思い込み、選択肢を狭めることです。
これらを解決するためには引き続き本を読んだり、気になるセミナーを聴きに行って”凄いな”と思える人に出会ってみたり、という行動が大事だなと感じます。
仕事で忙しいというのは言い訳にしかならないので、本にもありましたが、「あきらめによる充足欲求」という表現には納得がいきます。