気胸と手術と日常生活
2018年2月。
自然気胸という肺に穴が空いて空気が漏れる病気で、手術を経験しました。
手術することも病院に入院することも私にとっては初めてです。
今回は個人の備忘録的な感じで書いていきたいと思います。
自然気胸とは・・・
肺の上の方にできた「ブラ」と呼ばれる空気の溜まった袋が破れて表面に穴が開き、胸膜腔の中に漏れる状態を指します。
要するに肺に穴が開いて萎み、胸の中の空いたスペースに空気が漂っている状態です。
(・・・合っているかな?)
発症の経緯
2月中頃、突然咳き込み出しました。
会社の近くの診療所で診察を受け、咳止めを処方してもらいました。
社内で風邪が流行っていて体調不良の人もいたので、しんどいなと思いながらも・・・その週はマスクを付けて働いていました。
咳き込むと背中が痛かったり歩くだけで胸が痛かったりと、いつもと違和感があったので週末に近所の診療所で検査を受けました。
診療所のレントゲン検査で画像を確認したところ、右の肺が半分くらいに。
あれ・・・?
近くの総合病院に即日入院。
総合病院でのレントゲン検査で胸部CR撮影後、胸腔内に肺から漏れた空気を抜くため、胸腔ドレーンという吸引機器からチューブ(直径約1㎝)を右胸に刺す&吸引器に繋ぐ手術へ。
後日CTで胸部を撮影したところ、これかな?っていう穴(病変)が見つかる・・・。
入院生活は初めての経験です。
先ず食事、栄養士さんが考えた超健康的なメニューが美味しかったので朝昼晩が楽しみでした(^^)
お通じも体調も良かったので、食事療法とはこういうことか!と感じました。
次にお風呂。
入院~退院までシャワーすら浴びられませんでした(´`:)
チューブを刺した胸周辺に水が入ってはいけないらしく、チューブを持ち続ける人が必要とのこと。
洗面台で髪を洗うか、洗顔して髭を剃るかでした。
そして規則正しい生活。
6時起床→8時朝食→12時昼食→18時夕食→21時消灯でした。
小中学校の宿泊学習で似たようなタイムスケジュールだった気がしますが、超健康的な生活でした。
過去の自然気胸
2013年夏頃?
健康診断のとき、肺に陰があるとの診断を受けた気がする・・・。
休日にレントゲン検査を受けに行った覚えがあるんだよな・・・(・_・;)
2015年夏頃。
同じく健康診断のとき、肺に陰があるとの診断を受け、改めてレントゲン検査。
休日にレントゲン検査を受け、画像を確認するとやはり陰があるとのことから念のため大学病院で検査を受けることに。
大学病院で検査してもらい、自然気胸との診断。
但しこのときの肺の陰は非常に小さく、細くて若い男性にはよくあるとのことから様子を見ようということでその場は終わった・・・ような気がする。
2回目以降の気胸を患った場合、お医者さんは手術を勧めているそうです。
再発率は70%に達し、手術をすれば再発率が10%程度まで下がるためです。
過去2回の気胸の疑いが同じ個所であれば、将来確実に再発するだろうということで手術をして病変を切除することにしました。
手術&術後
手術前日には全身麻酔薬の量を決めるため、肺を通過する空気の量と速度、一気に吐いた後に息を吐き続けた時間を測定。
手術中は右の肺を止めて左の肺と人工呼吸器での呼吸となるので、全身麻酔薬量を正しく投与するために測定し、術後の肺機能障害を防ぐらしいです。
手術へ。
朝から点滴を打って待ちぼうけ、午後に手術室へ移動。
手術台に横になり、点滴を通して全身麻酔薬を体内に入れると・・・はっ!と気が付くと手術が終わっていました。
手術名は「胸腔鏡下肺部分切除術」
自然気胸の原因となったブラ(肺に空いた袋)を切除&縫合するために、3箇所の穴を開けたそうです。
内視鏡カメラを入れる穴×1、遠隔操作で治療するための器具を入れる穴×2。
手術後、このどれかに刺した胸腔ドレーンのチューブがまー痛い痛い(>_<)
痛み止めは必須で、術後2日間くらいは強烈な痛みに襲われました。
私は歩くスピードが比較的速い方ですが、3割くらいのスピードに落とさないと胸が痛みました(´`:)
当分の間は入院前の半分くらいのスピードで歩き、重い物を左手で持ち、1ヶ月程度は飛行機禁止。
右胸の筋肉が動くと疲れるんですが、右腕を使うことって日常生活でたくさんあります。
洗濯物を干したり自炊したり、デスクワーク中にパソコンを打ち続けるのも疲れます。
特に車の運転は右胸周辺の筋肉がプルプル震え続けるので、帰宅するとドッと疲れが出ます(*´Д`)
意外にも『踊るさんま御殿』を見て爆笑し、胸が痛くなったことには驚きました(笑)
自然気胸は若い細身の男性は発症しやすいそうです。
但し一説では、過度のストレスと過労が原因で引き起こす患者が増えているそうです。
科学的根拠が示されていませんが、海外のとある論文でこの事について触れられたそうです。
体調の変化には敏感だったつもりでしたが、多忙を極めていたところ体が限界を超えていたのかもしれません。
体にチューブを刺していたのでお風呂に入れないし、ご飯をたくさん食べられないし、ベッドが固くて腰が痛くなるし・・・普通に過ごせることって大事だなと改めて勉強になりました。
両親にも心配と苦労をかけました。
四国から交替で東京に来て、この歳でこんなにも世話になるとは思っていなかったので情けなかったです(´`:)
白衣の天使
これは余談ですが・・・
看護師さんが「白衣の天使」に見えると言われる所以がなんとなく分かりました(笑)
入院初日、肺から漏れた空気を胸腔ドレーンで胸腔から取り出そうとしたことで肺の大きさが徐々に戻り、その反動で激しく咳き込み、貧血で倒れそうになりました。
サポートされたときにめっちゃきれいな女性の看護師さんが視界に入ったので、確かに白衣の天使に見えました!
ただ看護師さんたちは命に関わる職業なので、私のようなデスクワークのサラリーマンとは違う緊張感を持って仕事に取り組んでいます。
そう思うと「白衣の天使」という表現は失礼かなと感じました(‥;)
ギリギリセーフだったことがあります。
突然咳き込んだ日が全国統一要約筆記者認定試験の翌日でした。
不幸中の幸いでした。